◆原因

自転車で走行中に段差にタイヤが引っかかり転倒。その際、シャッターに右の肩を強く打って負傷した。

◆症状

右肩の肩鎖関節及び肩峰端周囲に圧痛と腫れがあり、腕を上げることが出来ない状態。
安静にしていても鈍い痛みが続いて、寝る姿勢が作れない。

◆治療

肩関節周囲の筋肉を手技にて治療
僧帽筋、肩甲挙筋、棘上筋、三角筋などの肩関節運動に関係する筋肉の過緊張や浮腫に対してマイオセラピーを施す。
肩鎖関節を整復
肩関節を可能な限り外転、挙上位に保持しながら、肩鎖関節のアライメントを調整する。
テーピング固定
キネシオロジーテーピングで、肩鎖関節が安定する位置に鎖骨端を固定する。

◆予後

負傷翌日から治療を開始。
仕事で車の運転や機械の操作などがあり、完全に安静を保つことが無理な状況とのことで、毎日の通院とした。
負傷後１週間で、可動域は7割回復する。
引き続き安静時の鈍痛は残存した。
負傷後3週間で、可動域8割回復する。
患部の痛みを忘れて動いている時間帯もあり、回復の兆しが感じられるようなる。
負傷後１か月、軽い負荷をかけるぐらいの作業は問題なく出来るようになるも、引き続き鈍痛は残存する。

◆経過を考察して

肩鎖関節の捻挫は、患部の固定が不十分になりやすく、痛みの耐えれる範囲内で動いてしまい、安静に保つことが難しい。
今回のケースは、どうしても日常生活や仕事で身体を使うことが多くなってしまい、経過が緩慢になってしまった。
改めて、初診時から、ケガの程度や治癒に至るまでの経過を十分に説明して、多少犠牲を払ってでも患部を固定し、安静を保つ期間を設ける必要性を痛感した。

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