肩の痛み 30代男性 会社員

右肩~腕にかけての痛みを訴え来院される。

2~3週間前から肩甲骨の内側にじっとしていても抜けるような鈍痛があり、

右腕にも痛みがあり夜も寝られないとのこと。

仕事はデスクワークで、最近は忙しく休日も出勤や出張などが続いていて運動不足と寝不足であった。

○診察

左股関節および腰部の可動域制限があり、体幹部の過緊張がみられた。頸椎周囲の浮腫あり。

右肩甲骨周囲に過緊張と浮腫による圧痛あり。

○治療

患部周囲の過緊張がきつく、まずは下肢のハムストリングスや臀部、下腿部から施術。

次いで脊柱起立筋の過緊張と浮腫を解消し、肩甲骨周囲を重点的に治療した。

後頭下筋群にも手技を施し、浮腫を解消した。

○施術後の経過

一回の治療では症状が緩和できず、週に2回、3週間の治療でようやく症状が消失した。

今後は、股関節部の可動域制限が解消できるとさらにバランスが整い、体調も安定すると思われた。

長時間エアコンにさらされてのデスクワーク、多忙によるストレスの影響なども改善されることが望ましいと思われる。

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急性腰痛(ぎっくり腰) 50代男性 

お盆休み最終日の朝、

玄関先で下に置いたかばんの中に荷物を入れようとかがんだ際に、

俗に言う「魔女の一撃」、腰にびしっと電気が走るような痛みが発生。

その時は一瞬息がとまるぐらい痛かったが、何とか立ち上がり、

ゆっくりと動くことは可能であった。

しかし、夕方になると腰の痛みがどんどん増強し、夜には全く動かれないほど悪化。

その後、3日間は寝返りするにも激痛を伴い、

トイレには這いつくばってたどり着き30分以上かけて何とか用をたし、

ただひたすら痛みの出にくい態勢を探しながら、ほぼ寝たきりの生活となった。

4日目からは痛みの峠を越したのか徐々に回復し、恐る恐る歩くことは出来るようになった。

ただし気を抜くとまだ激痛が発生することもあったので、予断を許さない状況であった。

椅子に座るとまだ痛みだす感じがあったので無理せず寝て過ごした。

5日目、午前中は調子が悪く、まだ腰回りにかなり緊張した感じがあった。

午後からは外に出て自宅周辺を10分ほど歩けるぐらい回復した。

食事の際に椅子に座っていられるようになった。

6日目から仕事に復帰し、何とか通常の業務ができるぐらいには回復した。

負傷から10日経過した現在の様子は、

・起床時のこわばりと痛みあり。

・歩行スピードは70パーセント回復した。

・長時間の座位姿勢が続くと腰回りが固まる。

・立ったまま靴下をはけるようになった。

今のところは無理できないので歩行運動を40分ほどするのみにした。

痛みの発生から現在まで、

一時はどうなる事かと不安になり救急車を呼ぼうかとも考えたが、2~3日で回復すると信じて、痛み止めやブロック注射などをせずに何とか回復のめどが立つところまで来られた。

痛みに耐えながら過ごした間に、普段は考えないようなことも頭に浮かべたりしながら、どうしてそうなったのか反省したりもした。

今後は再発予防を考えて、体づくりに取り組んでいきたい。

 

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アキレス腱断裂 50代男性 自営業

○初診時

子供のラグビースクールで、親子対決の試合に出場。

キックオフでボールを追いかけた際に、「右ふくらはぎを誰かに蹴られた?」ような感じで痛みが出る。その後はプレーをせずに整骨院受診された。

○診察にて

うつ伏せで両膝を90°屈曲させると、痛めた側の足首が明らかに曲がっていて、アキレス腱の陥凹がみられた。ふくらはぎを把握するテストでも患側は反応がなかった。

土曜日夕方の受診で、週明けも仕事があるとのこともあり、近くで受診できる整形外科を探し診察を受け、シーネ固定と松葉づえ歩行を指導され、週明けに再度診察を受ける予定となった。

○終わりに

典型的なアキレス腱断裂の症例で、患者の「後ろから蹴られた感じ」という話からも、アキレス腱断裂を疑うことがほとんどである。

当院での保存療法も可能ではあるが、患者さんの仕事や年齢、性別などを考慮すると、手術をされた方が良いと判断しすぐに整形外科を受診してもらった。今後、手技治療が施術できる段階になった時には早期回復を目指したいと思う。

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交通事故による頸椎捻挫、腰椎捻挫 40代女性 会社員

玉突き事故により追突され、同時に前方に衝突。

頸椎ほか3か所を負傷。

救急で処置をしたあと数日経って整骨院受診される。

 

初診時

全身打撲のような状態で、心身ともに最悪。

事故の恐怖感が先立ってしまい、患部の状態を細かく把握するよりも、

少しでも安心感を与えられるようにゆっくりと優しい施術から始めた。

経過観察をしながら、痛みや可動域制限のある部位から改善方向に施術。

施術開始から6カ月間で可動域制限は改善し、メンタル面もかなり前向きになった。

 

 

交通事故治療は被害者の方が事務的な負担や治療に要する負担が多く、

事故から数カ月は元の生活に戻れないことが多い。

いわゆる「鞭打ち症」になると、患部の損傷だけでなく関連する部位に不調が出現し、治療が難しい面もある。

まずは患者さんに寄り添い、1日も早い回復のために施術すると同時に、

事故をして負った恐怖や痛みがトラウマにならないよう、

メンタル面も考慮することが大切である。

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股関節痛 50代 会社役員

3日前に登山をして、その翌日から左臀部〜大腿部外側に痛みを訴え来院。

大阪府と奈良県の境にある生駒山登山は、比較的初心者コースであり、初めてのコースではなかったとのこと。

歩行時や起動時に痛みを訴えて、外転、内外旋も軽度の痛みがあった。

日ごろは座り仕事で、通勤も車なのでほぼ歩かない生活とのこと。

[診察]

触診で、中臀筋と大腿部外側広筋に過緊張あり。

股関節屈曲と外旋位で痛み増強。

[治療]

股関節の過緊張を和らげ、外旋位にある下肢を少しずつ内外旋しやすく施術を行った。

同時に、上半身体幹部、右肩甲骨周囲への施術も行なった。

施術後、股関節の運動痛は軽減し、歩行時の痛みは消失した。

2回目の施術を1週間後に行い、起動時の疼痛も消失した。

自宅で出来る股関節と下腹部を意識して行うエクササイズを指導した。

まず感じたことは、体幹部の動きが硬く、姿勢がいわゆる猫背になって、さらにデスクワークや携帯電話を多用することで左右のバランスも悪くなっていた。よって登山で降りる際に左足に過度な荷重がかかって痛めたと考えられた。

身体の縦の軸を揃えて、前後左右の動きを力みなく使えるように日ごろから意識して治療やエクササイズに取り組んでいくことが大切である。

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