ふろ場で足を滑らせた際に負傷する。
年末の忙しい時期だったため、痛みを我慢したまま20日ほど過ごしていたがいまだに腫れが引かず、歩行も困難であったため受診された。
○症状
左足背部から外くるぶしにかけて圧痛と浮腫がひどく、内返しの際に痛みが強くなる。
歩行の際も、接地の際に荷重をかけきれず、後ろに蹴りだす動作が全くできない。
○治療
ふくらはぎの前面と後面、側面にある筋群をていねいに指圧しながら血流を促す。
腰部から臀部、大腿部にも治療を加える。
足関節をテーピング。
○経過
足背部の浮腫は1週間ほどで消失する。
2週間経過辺りから、歩行も楽になる。まだ裸足で床を歩くと痛みがある。
3週間経過時、歩行速度も速くなる。急な方向変換などで痛みあり。
負傷後約2カ月でおおよその痛みは消失する。
○終わりに
ふろ場で滑った際に2か所の靭帯を損傷したとみられ、また負傷後すぐに治療が出来なかったことで長引いた症例であった。
患者は非常に我慢強い性格で、すぐに無理をするタイプの方なので、負傷後20日間も固定すらせずに過ごしたが、ひどく損傷した捻挫は放置したままでは自然治癒が難しいことを改めて実感した。
ただ、治療開始からの回復するスピードはかなり速かったので、安静にしすぎるタイプの方よりは自然治癒力も強いのかなと思われた症例であった。