交通事故による頸椎捻挫、腰椎捻挫 40代女性 会社員

玉突き事故により追突され、同時に前方に衝突。

頸椎ほか3か所を負傷。

救急で処置をしたあと数日経って整骨院受診される。

 

初診時

全身打撲のような状態で、心身ともに最悪。

事故の恐怖感が先立ってしまい、患部の状態を細かく把握するよりも、

少しでも安心感を与えられるようにゆっくりと優しい施術から始めた。

経過観察をしながら、痛みや可動域制限のある部位から改善方向に施術。

施術開始から6カ月間で可動域制限は改善し、メンタル面もかなり前向きになった。

 

 

交通事故治療は被害者の方が事務的な負担や治療に要する負担が多く、

事故から数カ月は元の生活に戻れないことが多い。

いわゆる「鞭打ち症」になると、患部の損傷だけでなく関連する部位に不調が出現し、治療が難しい面もある。

まずは患者さんに寄り添い、1日も早い回復のために施術すると同時に、

事故をして負った恐怖や痛みがトラウマにならないよう、

メンタル面も考慮することが大切である。

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股関節痛 50代 会社役員

3日前に登山をして、その翌日から左臀部〜大腿部外側に痛みを訴え来院。

大阪府と奈良県の境にある生駒山登山は、比較的初心者コースであり、初めてのコースではなかったとのこと。

歩行時や起動時に痛みを訴えて、外転、内外旋も軽度の痛みがあった。

日ごろは座り仕事で、通勤も車なのでほぼ歩かない生活とのこと。

[診察]

触診で、中臀筋と大腿部外側広筋に過緊張あり。

股関節屈曲と外旋位で痛み増強。

[治療]

股関節の過緊張を和らげ、外旋位にある下肢を少しずつ内外旋しやすく施術を行った。

同時に、上半身体幹部、右肩甲骨周囲への施術も行なった。

施術後、股関節の運動痛は軽減し、歩行時の痛みは消失した。

2回目の施術を1週間後に行い、起動時の疼痛も消失した。

自宅で出来る股関節と下腹部を意識して行うエクササイズを指導した。

まず感じたことは、体幹部の動きが硬く、姿勢がいわゆる猫背になって、さらにデスクワークや携帯電話を多用することで左右のバランスも悪くなっていた。よって登山で降りる際に左足に過度な荷重がかかって痛めたと考えられた。

身体の縦の軸を揃えて、前後左右の動きを力みなく使えるように日ごろから意識して治療やエクササイズに取り組んでいくことが大切である。

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背中の痛み 50代女性 化粧品販売

下に落ちたものを拾うとき、前に屈んだ瞬間に背中に激痛発生。その後、歩く振動でも痛みがあり、寝返りも困難となる。

左背部に過度の緊張、腹部、側胸部にも圧痛あり。 肋骨の動きや横隔膜、腹部筋群がうまく機能しない中、前屈動作で背部の脊柱起立筋に過緊張が発生したと思われた。

各部位を手技にて調整しながら緊張を和らげると、起動時や寝返りの際に痛みはあるものの、立って歩く動作は楽になり、姿勢が自然に伸ばせるようになった。

 接客業という仕事柄、長時間不自然な姿勢が続いたり、重い商品を運んだりすることが負担になっていて、さらに職場での責任や人間関係など、メンタル面の疲労もあったと思われ、気付かないうちに体幹部に過度の緊張が起こっていたのかと思われた。

急性の痛みは応急的に痛みを半分程度改善することはできるが、その後の治療を続け自分自身の身体を改善しないと、再発したり他の部位まで痛めることがある。

整骨院では自然体で動きやすい身体になれるよう、治療や適切なエクササイズに取り組んでいきたい。

 

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足関節捻挫 70代女性 主婦

ふろ場で足を滑らせた際に負傷する。

年末の忙しい時期だったため、痛みを我慢したまま20日ほど過ごしていたがいまだに腫れが引かず、歩行も困難であったため受診された。

○症状

左足背部から外くるぶしにかけて圧痛と浮腫がひどく、内返しの際に痛みが強くなる。

歩行の際も、接地の際に荷重をかけきれず、後ろに蹴りだす動作が全くできない。

○治療

ふくらはぎの前面と後面、側面にある筋群をていねいに指圧しながら血流を促す。

腰部から臀部、大腿部にも治療を加える。

足関節をテーピング。

○経過

足背部の浮腫は1週間ほどで消失する。

2週間経過辺りから、歩行も楽になる。まだ裸足で床を歩くと痛みがある。

3週間経過時、歩行速度も速くなる。急な方向変換などで痛みあり。

負傷後約2カ月でおおよその痛みは消失する。

○終わりに

ふろ場で滑った際に2か所の靭帯を損傷したとみられ、また負傷後すぐに治療が出来なかったことで長引いた症例であった。

患者は非常に我慢強い性格で、すぐに無理をするタイプの方なので、負傷後20日間も固定すらせずに過ごしたが、ひどく損傷した捻挫は放置したままでは自然治癒が難しいことを改めて実感した。

ただ、治療開始からの回復するスピードはかなり速かったので、安静にしすぎるタイプの方よりは自然治癒力も強いのかなと思われた症例であった。

 

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腰痛 60代男性 市民ランナー

ランナー歴約5年で、ハーフマラソンから挑戦し、今や100キロを超えるレースにも挑戦できるほどになられた患者さん。

走り始めた当初は脚のケガ(足裏の筋膜炎と膝の腸脛靭帯炎など)などで来院されていたが、最近は腰痛を訴えられることが多くなった。

 

○症状

起床時の動作や、長時間の座位姿勢で腰痛が発生しすぐに動き出せない。しばらく動いていると和らぐので走ることは可能。

左右の股関節に可動域の差があり、左臀部の過緊張が見られる。

腰部から背部の脊柱起立筋にも過緊張による圧痛が見られる。

 

○治療

炎症のある部位から離れた筋肉から治療し、徐々に痛みの感覚が和らぐにつれ過緊張にあった筋繊維にも適度な刺激をあたえ、股関節と腰椎の連動性を高める。

股関節周囲のストレッチと指圧を組み合わせた手技を継続的に施術する。

 

○おわりに

患者は週末以外はトレーニングが出来ず、また長時間のデスクワークと通勤のため、どうしても腰を痛めやすい生活になりやすいように思われる。

競技力は年々飛躍的に向上しており、元来の体の強さはすばらしいので、今後もランニングフォームを改善したり、さまざまな刺激を体に与えることで今ある腰痛などは改善されると思われる。

 

 

 

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